今回は、「足場屋である株式会社新陽がなぜ足場模型事業を開始したのか」
についてお話させていただきます。
私達が足場模型の製造・販売を開始したのは、
“足場屋の技術承継を効率化し、足場業界全体の地位を高めたいから”
です。
具体的にどういうことなのか、足場業界の背景からご説明します。
足場業界の背景
現在、足場屋は（1）倒産が急増、（2）高齢化が進行、（3）若手不足、という大変厳しい状況に置かれています。
1．足場屋の倒産や休廃業・解散の増加
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198550_1527.html
東京商工リサーチより引用（2024/05/04）
過去10年間は毎年80件前後で推移していた足場屋の倒産件数が、2023年度に初めて100件を超え、最多記録を更新しています。
内訳としては売上不振が約7割を占め、残りも赤字累積など業績不振が主な原因となっています。
業績不振以外にも人手不足、資材高騰など物価高の影響などがあります。
職人不足は深刻です。
とび職を希望する若者が少ないことに加え、足場屋間での人材獲得の競争が激しいのです。
2024年4月に東京商工リサーチが実施したアンケートによると、調査対象としたとび工事業16社中約8割の会社が「正社員不足」と回答したというデータもあります。
後継者不足なだけでなく、職人不足による廃業も増えているのです。
2．職人の高齢化の進行
https://www.nikkenren.com/publication/handbook/chart6-4/index.html
建設業デジタルハンドブックより引用（2024/05）
建設業就業者は、2023年には55歳以上が約36%、29歳以下が約12%と、全産業と比較して高齢化が著しく高くなっています。
将来まで建設業の生産体制を維持するためには、若年者の建設業就職の促進と世代交代が不可欠です。
3．学生の建設業への志望度の低迷
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000114.000058834.html
PR TIMESより引用（2022/12/05）
株式会社インタツアーが2022年に実施した業界別志望度・関心度調査では、建設・建築業界を志望する学生は3.3%となっています。
志望しないと回答している学生は26.1%であり、これは介護・福祉業界に次いで2位という結果です。
足場業界の技術が衰退していく
前述の高齢化・若手不足は単純に労働力が不足するという問題では留まりません。
技術承継が行えなくなり、技術が失われ業界全体が衰退していくことが真の問題なのです。
足場屋は技術職であり職人の世界のため、技術を承継していくことが重要です。
技術は技術承継元であるベテラン職人から技術承継先である若手職人へと伝えられていきます。
しかし、技術承継元であるベテラン職人は高齢化や怪我などによる引退で減少しており、技術継承先である若手職人は採用が難しい、離職率が高いという状況です。
また、足場屋は古い体質の業界であり、いまだに「先輩の背中を見て学べ」という風潮が強い業界です。そのため足場の施工技術は体系化されておらず、教育方法が確立されていません。
上記の理由から、ベテラン職人から若手職人への技術承継が非常に非効率となっています。
足場業界の技術承継を推進するためには
では、足場屋が円滑に技術承継するにはどうしたらよいのでしょうか。
そのためには現場で実践するしかない現状の技術承継の問題点を解決する必要があると考えました。
OJT（現場での教育）は確かに有効ですが、危険、疲れる、時間に制約がある、場所に制約がある、天候の影響を受ける、と様々な問題があります。
これらの問題を解決する技術承継方法・教育方法を考え抜いた結果、
足場模型による教育が最適な手段のうちの一つであると考えました。
足場模型を活用した教育には、以下のメリットがあります。
①失敗しても怪我のリスクがない
②屋内で学習を進められ天候に左右されない
③部材が軽量であり疲労しないため反復練習が可能
④実際の足場施工に必要な3次元的感覚を養成できる
足場模型による教育はOJTの欠点を解消し、足場業界の教育を革新するものと言えます。
足場模型ブランドCUMIの立ち上げ
そこで私達は、新たに建設技術の承継をミッションとしたブランド「CUMI（キューミー）」を立ち上げました。
CUMIの理念は、足場業界の教育の革新と、足場業界の地位向上です。
足場模型CUMIの特徴
CUMIのくさび型足場模型CATASTA（キャタスタ）には「豊富なラインナップ」「精巧な造形」「導入しやすい価格」という3つの特長があります。
もしも貴社が足場教育に課題を抱えているようであれば、CUMI CATASTAが有効な手段となると確信しています。
